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2009.11.01 Sunday | permalink |  - | 

エターナルサンシャイン

エターナルサンシャイン DTSスペシャル・エディション
エターナルサンシャイン

チャーリー・カウフマンとミシェル・ゴンドリーが組んだとき、とんでもない世界が映像化されるだろうことは、ほぼ予測はついていたが、ここまで見事な夢の中を映像化した作品は今まで見たことなかった。

基本的には、カウフマンのコンセプトが強力なのだが、それを視覚化できたのは、ゴンドリーの力量だろう。見たことない人は、とにかく一度、見てほしい。物語が意味不明になるスレスレのところで、映画的興奮を体感させてくれる作品。
2006.12.06 Wednesday | permalink |  CINEMA | 

クラッシュ

クラッシュ
クラッシュ


人間の関係性について描いた作品。
スタイルは、ポール・トーマスアンダーソンの「マグノリア」に少し似た部分もあるが、ポール・ハギスの脚本にひねりがあるため各映画賞を受賞する名作となったと思う。ドン・チードルやマット・ディロンの演技も秀逸。
2006.12.03 Sunday | permalink |  CINEMA | 

南極日誌

南極日誌
南極日誌

アート色の高いサイコサスペンス・スリラー。後半は、ほとんどホラー映画。「南極物語」のような感動巨篇とは全くテイストが異なります。極限状態における人間の狂気と錯乱状態を映像化した作品。

「リング」や「ロード・オブ・ザ・リング」のスタッフが作っているので、CGはハリウッドレベル。韓国映画なのに、ワールドワイドなクオリティを持っている作品。ただし、興行的にはかなり苦しかったと推測される。
2006.12.02 Saturday | permalink |  CINEMA | 

ヤンヤン 夏の想い出

ヤンヤン 夏の想い出

作家性を超越するとき〜エドワード・ヤン
原文 (2002/12/20)
http://www.gselect.com/gauzine/38/

映画や映像の本来の役割を考えてみると、なんらかの「情報を伝達すること」ではないかと思います。それは、一般的には「物語」という形式を持って表現されます。「物語」の中には、普遍的なメッセージや人間が大切にしなければならないことなどが、さりげなく内包され、観る側との共感や同調によって、ある種の情報として伝達されます。
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2006.10.30 Monday | permalink |  CINEMA | 

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りの少女
http://www.gaga.ne.jp/pearl/

DVDの発売は2005年1月ですが、地元のシネマサークルの定例会で上映したので、こんな時期にスクリーンで観ました。

物語は、天才画家フェルメールの1枚の絵に秘められた画家と使用人の少女との微妙な関係を描いたものだが、とにかく映像や構図が絵画的で美しい。

撮影監督は、パトリス・ルコントの作品で知られる名匠エドゥアルド・セラ。パトリス・ルコントの「髪結いの亭主」「イヴォンヌの香り」「歓楽通り」や、他にも「日蔭のふたり」「鳩の翼」「アンブレイカブル」などを手掛けた撮影監督。光と影の対比が見事な映像を創りだす職人監督だ。監督のピーター・ウェーバーは、これが長編デビュー作。

スカーレット・ヨハンソンは、これまでの役柄とは少しイメージが違っていたが、あの有名なフェルメールの絵のモデルに見えてくるから不思議なものだ。

撮影、美術、衣装デザインがアカデミー賞にノミネートされたようにそうしたディテールの美しさとヨハンソンの見事な演技を楽しめる作品。

真珠の耳飾りの少女 [DVD] 豪華プレミアム限定版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00064X9T4/
(2005/01/14リリース)

ELLE : スカーレット・ヨハンソン
http://www.elle.co.jp/home/fashion/celeb/04_0916/
2004.10.29 Friday | permalink |  CINEMA | 

2046

2046

2046
http://www.2046.jp/

「2046」を深く理解しようと思ったら、ウォン・ カーウァイ監督の過去の作品「欲望の翼」と「花様年華」を見ておく必要があるかと思う。1960年代の香港を描いた「欲望の翼」と「花様年華」は、あらゆる点で「2046」とつながっているだけでなく、それらの作品に登場したキャラクターの変奏曲として重層的に重なってくる。

「2046」でカリーナ・ラウの演じたキャラクターは、「欲望の翼」のダンサーのルルであり、コン・リー演じた女ギャンブラーの名前スー・リーチェンは、「欲望の翼」「花様年華」でマギー・チャンが演じた役名と同じ。さらに、トニー・レオン演じるチャウも過去の2作とルックスも名前も同じ。しかし、チャウのキャラクターは「花様年華」とは少し違ったものになっている。「2046」でのチャウは、むしろ「欲望の翼」でレスリー・チャンの演じたヨディに重なってくる。今は亡きレスリーの影を、トニーに反映させようとする試みは、「ブエノスアイレス」での2人の関係ともつながってくる。

名前が同じで容姿が変わったり、容姿が同じでキャラクターが変わったりする手法は、劇中の小説「2046」に登場する木村拓哉のキャラクターがその小説を書いている本人トニー・レオンと重なっていることにもつながっている。そこには、形(容姿)や時代(過去と未来)が変わっても、一貫して変わることのない人間のかかえている「想い」を描くための、カーウァイなりの手法だと思う。

ウォン・ カーウァイは、こうした遊び心に満ちたセンスと表現方法によって、「欲望の翼」「花様年華」「2046」という「1960年代香港トリロジー」の一見とりとめのないように配置された反復するパズルのような物語を組み立てていったように思う。


ただ、「2046」の正しい楽しみ方は、結果として理解できるこうしたストーリーのパズルを解くことではなく、「今、この瞬間を感じる」ことのように思う。ワンシーン、ワンシーンが写真集のようなクリストファー・ドイルの撮影した映像美やウィリアム・チョンの美術。卓越したセンスで配置された音楽のすばらしさ。もちろん、衣装も。そうした、映像に配置されたディテールの美しさや時間の流れ、それに身を委ねて「今、この瞬間を感じる」ことのように思う。

「2046」は、ある意味「夢」を描いた作品であり、観客はカーウァイとスタッフ、キャストが5年という時間をかけて創りだした上質の夢物語を満喫し、体感することのように思う。「夢」の中では、ストーリーはとりとめのないもの。それが、「2046」には反映されてるよう思う。

もしストーリーの意味や意図が今ひとつわからなかった消化不良の方は、「欲望の翼」と「花様年華」を見たあとで、もう一度、その夢を思い出してみると、「2046」という未来であり、過去であり、現在であるその「何か」を感じることができるのではと思います。結局、映画に答は必要ないんですね。そんなことをあらためて感じさせる作品でした。

2046 2046 オリジナル・サウンドトラック 2046―映画「2046」フォトブック完全版 2046
2004.10.23 Saturday | permalink |  CINEMA | 

ヴィレッジ

The Village

ヴィレッジ
http://www.movies.co.jp/village/
http://thevillage.movies.go.com/

「シックス・センス」以降、「アンブレイカブル」「サイン」とシャマラン監督の作品は常に話題になりながらも、その評価は賛否両論に分かれていると思う。それは多分、シャマラン作品が多面的な構造を持ち、いくつかの階層に分かれているからだと思う。階層というのは、表面的なスタイルの部分と深層的なテーマの部分とに。シャマラン作品を批判する観客や評論家は、ストーリー上のプロットやオチの甘さについて言及していることが多い。

確かに「シックス・センス」のような衝撃的なオチを期待して見た観客は、それ以降の作品のオチには今ひとつ納得がいかないかもしれない。しかし、そういったプロットやエンディングのオチは、シャマラン作品においてはあくまで表面的なもののように思う。超常的現象やB級スリラーぽいテイストなどは、観客をひきつけるための表層的なスタイルであり、シャマラン作品の本質はもっと深層にある「目には見えない部分」に隠されているような気がする。

不可視の領域〜M.ナイト・シャマラン
http://www.gselect.com/gauzine/28/

「ヴィレッジ」のパンフレットによると、

「シックス・センス」は、「亡霊と家族」
「アンブレイカブル」は、「漫画の世界と道徳心」
「サイン」は、「異星人と信仰」がテーマであった。

とあったが、自分はもう少し別の視点で見ている。
各作品から自分なりに感じたことは、

「シックス・センス」は、「目に見えなくても存在するものがある。」
「アンブレイカブル」は、「光は同時に影をつくる。対極にあるものの相関性。」
「サイン」は、「起こっていることにはすべて意味があり、偶然はない。」

というようなメッセージをそれぞれ感じた。

それらは、ひじょうに東洋的な思想であり、インド出身のシャマランのバックボーンが「インド哲学的なもの」にあるよう個人的には推測している。しかし、そういった深遠で哲学的なテーマの映画は、決して多くの観客の目にふれないという事実を、「シックス・センス」以前に作った「翼のない天使」の興行的失敗でシャマランは知ったのだと思う。そして、やはり映画は観客を楽しませなければならないと思い、「恐怖」というエンターテイメントの手段をとりいれて出来上がったのが「シックス・センス」だったような気がする。ホラー映画か、スリラー映画のような広告宣伝は、新しい層の観客をつかみ、その表層的なスタイルである「超自然スリラー」は、独自のシャマラン・スタイルとして定着し多くの観客をつかむ結果となった。

しかし、彼が本当に伝えたいのは、きっと「不可視の領域にある神秘性」のようなものであり、「ヴィレッジ」においては、それは「無垢な愛の力が引き起こす奇跡」として表現されているような気がする。過去の作品の引用やオチの陳腐さを批判する観客や評論家は、多分、シャマラン作品の表層部分だけを見ているのであり、その奥に隠れた深層部分を感じとっている観客や評論家は、きっとこれからもシャマラン作品を見続けていくであろう。シャマラン監督も観客の「知性」を信じて、深みのある物語を作っていってくれると思うし、実際そのように語っている。
2004.09.18 Saturday | permalink |  CINEMA | 

東京原発

東京原発

東京原発
http://www.genpatsu.bsr.jp/

社会派でありながら、しっかり娯楽作品としても仕上げられたコメディ・テイストあふれるサスペンス・アクション。

役所広司演ずるカリスマ都知事の「東京に原発を誘致する。」という突然の爆弾発言に振り回される都庁幹部たち。一方、フランスから極秘に運びこまれたプルトニウム燃料を輸送中のトレーラーが、爆弾マニアの少年にジャックされ、爆破予告の電話が知事のところへ。もしプルトニウムが爆発したら、東京全域は死の灰につつまれてしまう…。

物語前半の都庁内での幹部会議で、専門家の大学教授が説明する原発の危険性やずさんな管理体制は、はたしてどこまで事実なのかわからないが、もしすべて事実だとしたら、いかに国民が無知であったのか、とんでもなく恐ろしいことだと思った。

例えば、原発は関東大震災の3倍の耐震設計がされている、と一般に言われているらしいが、実際は3倍どころか、神戸級の地震で壊れてしまうらしい。さらにもっと問題なのは、核燃料の廃棄処理の問題であり、未来何万年にわたって残ってしまう高レベル放射性廃棄物の処理は30-50年冷却貯蔵したあと、地下深くの地層に処分するしかない、というようなずさん処理方法しかないらしい。

すでに原発の安全神話は崩壊している中、多くのリスクをかかえたこの方法にかわる新しいエネルギー開発に力を注ぐべきなのだが、映画ではそうした次の段階の解決方法も提示している。

「原発がイヤなら電気など使うなー。」
と叫ぶ都知事の怒りは、そのまま無感心な国民全体に向けられているよう感じた。都知事の原発誘致の本当の狙いは実はそこにあった…。

国家の無責任さや無知な官僚を批判、告発する作品というよりは、あまりにも原発に無感心な国民全体に目をさましてほしいという願いが込められた作品のよう感じた。よくできています。

予告編、04/09/25 DVD化。
http://www.genpatsu.bsr.jp/main.htm

2004.09.12 Sunday | permalink |  CINEMA | 

セプテンバー11

セプテンバー11

「9月11日とその前後についての11分9秒1フレームの映画を作る。」
という企画のもとに世界の11人の映画監督が参加した11本のショートフィルム集。

参加した11人の監督は、
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   監督名       出身国       代表作
● サミラ・マフマルバフ (イラン) 「ブラックボード/背負う人」
● クロード・ルルーシュ (フランス)「男と女」「白い恋人たち」
● ユーセフ・シャヒーン (エジプト)「炎のアンダルシア」
● ダニス・タノヴィッチ (ボスニア=ヘルツェゴビナ)
                  「ノー・マンズ・ランド」
● イドリッサ・ウェドラオゴ (ブルキナファソ)「ヤーバ」「掟」
● ケン・ローチ (イギリス)   「カルラの歌」「大地と自由」
● アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ (メキシコ)
                 「アモーレス・ペロス」
● アモス・ギタイ (イスラエル) 「キプールの記憶」
● ミラ・ナイール (インド)   「モンスーン・ウエディング」
● ショーン・ペン (アメリカ)  「プレッジ」
● 今村昌平 (日本)       「うなぎ」「黒い雨」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

どの作品もそれぞれの視点で、とてもすばらしかったのですが、個人的には、「アモーレス・ペロス」で一躍世界的に有名になり、BMW Filmにも作品を提供しているメキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の作品が特に強烈でした。

サブリミナル的に観せるショッキングな映像(落下シーン)と、当時の状況を想起させるような生々しい音響を組み合わせた、不安感と恐怖感をかきたてられるような表現は、かすかな視覚情報のみで、まさにその現場にいるような錯覚を体感させられます。

映像作品なのに、あえて映像をチラッとしか見せず、むしろ聴覚に訴えかける手法は、見えないことや音のもつ恐怖感を再認識させる映像表現でした。
" Does God's light guide us or blind us ? "
というメッセージを視覚化した、終盤の闇から光への変化が、作者の祈りに近い想いを象徴しているようでした。

また、一番最初のイランのサミラ・マフマルバフの作品も考えさせられました。教師と子供の話がかみあわないところは、ある種の文明の違いを象徴しているようでもあり、高層ビルや携帯電話さえも見たことのない難民キャンプの子供たちに、ビルが崩れましたとか、携帯電話で多くの人が助けを求めました、といっても、全く意味が伝わらないシーンは、ある種のユーモアに包みこまれながらも、文明の落差を感じざるおえない複雑な想いがよぎるシーンでした。

また、俳優でもあるショーン・ペン監督の作品は、暗いアパートに住む孤独な老人の話なのですが、ラストのオチには、ウ〜ンすごい、と唸らされました。喜びと悲しみが表裏一体となったラストシーンは、この世界が人間の心の反映であることを再認識させてくれます。光と影の関係をここまで見事に映像化した作品はそんなに多くないと思います。ショーン・ペンの監督としての才能を感じさせます。

社会の構造を考えさせられる名作短編集です。

セプテンバー11
セプテンバー11

(2002/10/07 GAUZINE 編集後記より抜粋。
 http://www.gaucho.com/gauzine/36/index.html#003
2004.09.11 Saturday | permalink |  CINEMA | 

10億分の1の男

10億分の1の男

飛行機の墜落事故で唯一生存した男、ホロコーストから奇跡的に生還した男、交通事故で生き残った女刑事、それぞれ「強運」と呼ばれる人間たちがくりひろげていく運命のゲーム。

「運」というあいまいなものを映像化したこの「10億分の1の男」は、画期的な作品なのかもしれない。「運」は人から奪うものであり、人の「運」を奪いつづけることによって、世界一の強運を30年間保ちつづけた男がいた、という発想も斬新。

監督はスペインの新鋭ファン・カルロス・フレスナデージョ。初の長編作品で、スペイン最高峰の第16回ゴヤ賞で最優秀新人監督賞を受賞したり、世界各地の映画祭で絶賛された作品。

全体的に落ち着いた静かなトーンでサスペンスを含ませながら、ストーリーは淡々と展開していく。非情ともいえる運だめしゲームは緊迫した雰囲気の中くりひろげられていく。

10億分の1の男
http://www.herald.co.jp/official/intacto/index.shtml
予告編
http://www.excite.co.jp/cinema/special/10oku/trailer.dcg
2004.08.08 Sunday | permalink |  CINEMA | 
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