「9月11日とその前後についての11分9秒1フレームの映画を作る。」
という企画のもとに世界の11人の映画監督が参加した11本のショートフィルム集。
参加した11人の監督は、
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監督名 出身国 代表作
● サミラ・マフマルバフ (イラン) 「ブラックボード/背負う人」
● クロード・ルルーシュ (フランス)「男と女」「白い恋人たち」
● ユーセフ・シャヒーン (エジプト)「炎のアンダルシア」
● ダニス・タノヴィッチ (ボスニア=ヘルツェゴビナ)
「ノー・マンズ・ランド」
● イドリッサ・ウェドラオゴ (ブルキナファソ)「ヤーバ」「掟」
● ケン・ローチ (イギリス) 「カルラの歌」「大地と自由」
● アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ (メキシコ)
「アモーレス・ペロス」
● アモス・ギタイ (イスラエル) 「キプールの記憶」
● ミラ・ナイール (インド) 「モンスーン・ウエディング」
● ショーン・ペン (アメリカ) 「プレッジ」
● 今村昌平 (日本) 「うなぎ」「黒い雨」
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どの作品もそれぞれの視点で、とてもすばらしかったのですが、個人的には、「アモーレス・ペロス」で一躍世界的に有名になり、BMW Filmにも作品を提供しているメキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の作品が特に強烈でした。
サブリミナル的に観せるショッキングな映像(落下シーン)と、当時の状況を想起させるような生々しい音響を組み合わせた、不安感と恐怖感をかきたてられるような表現は、かすかな視覚情報のみで、まさにその現場にいるような錯覚を体感させられます。
映像作品なのに、あえて映像をチラッとしか見せず、むしろ聴覚に訴えかける手法は、見えないことや音のもつ恐怖感を再認識させる映像表現でした。
" Does God's light guide us or blind us ? "
というメッセージを視覚化した、終盤の闇から光への変化が、作者の祈りに近い想いを象徴しているようでした。
また、一番最初のイランのサミラ・マフマルバフの作品も考えさせられました。教師と子供の話がかみあわないところは、ある種の文明の違いを象徴しているようでもあり、高層ビルや携帯電話さえも見たことのない難民キャンプの子供たちに、ビルが崩れましたとか、携帯電話で多くの人が助けを求めました、といっても、全く意味が伝わらないシーンは、ある種のユーモアに包みこまれながらも、文明の落差を感じざるおえない複雑な想いがよぎるシーンでした。
また、俳優でもあるショーン・ペン監督の作品は、暗いアパートに住む孤独な老人の話なのですが、ラストのオチには、ウ〜ンすごい、と唸らされました。喜びと悲しみが表裏一体となったラストシーンは、この世界が人間の心の反映であることを再認識させてくれます。光と影の関係をここまで見事に映像化した作品はそんなに多くないと思います。ショーン・ペンの監督としての才能を感じさせます。
社会の構造を考えさせられる名作短編集です。
セプテンバー11
(2002/10/07 GAUZINE 編集後記より抜粋。
http://www.gaucho.com/gauzine/36/index.html#003)